(左)リフト乗場に掲示されているゲレンデマップ。第2リフト終点から頂上までの第3リフトは、最近は運行されておらず表記が消されている。(右)営業していた時のようす(2013年12月31日)。
「みねかた」には昨年の12月31日に滑りに行ったばかりだった。そのときの様子を記録したのが、→こちら。「『みねかたは大丈夫なのか?』という声も聞こえてくる」と書きながら、しかし、年末だったせいか、そこそこ賑わっていることに安堵していた。家族連れや地元のポール派が楽しんでいた。それが、今年9月になってホームページ上でクローズが発表された。
ホームページには以下のように掲示された。「前運営会社からの譲渡を受け、株式会社みねかたにて9シーズン運営を行ってまいりましたが、当社での来シーズンの運営継続が難しい状況となっておりました。運営を引き継いで頂ける企業を探す等、スキー場営業を継続する道を色々と模索しておりましたが交渉もうまく進まず、来シーズンに向けての動きも本格化する時期となり、非常に残念ではございますが、白馬みねかたスキー場はクローズさせて頂くことといたしました。(後略)」
(左)ゲレンデ入口には鳥居。左手にセントラル・ロマンスの両ゲレンデ。(右)ゲレンデ最下部には数軒のレストハウスなど。圧雪車がスタンバイしているが、今シーズン稼働することはないのだろう。
やはり経営上は予断を許さない状況だったのだと、あらためて思い知らされた。オールドスキーヤーがのんびり滑るには適度なスキー場だったので、ひとりで数回出かけたことがある。のんびりできたということは、やはり客が少なかったということだろう。
「SKI GUIDE'86(山と渓谷社)」には、「日本の屋根北アルプス連峰を一望できる白馬山麓の北東斜面にリフト3基が効率的に配置され、3つのゲレンデ、3本の林間コースをうまく結びつけている。山頂からの景観はすばらしく、北アルプス連峰の景色を心ゆくまで楽しめる7kmの歩くスキーコースは、北アルプスの展望台として親しまれており、コース整備も万全で初めてスキーをはく人でも、安心して楽しむことができる。ナイター設備、ポール練習コースもある」と紹介されている。スキー場開設は昭和38年(1963年)であるから、50年もの歴史を持っていたことになる。
(左)セントラルゲレンデ中間部左には、イタリアンレストランやロッジの建物が残っている。(右)しょうぶ平コース中間部を上から見下ろす。右手の白い建物はケーキハウス。
雨模様の10月の休日、峰方を訪れる。白馬の中心街から、国道406号を5kmほど鬼無里方面に入ったところ。ゲレンデ手前1km弱に駐車場があり、かつては臨時駐車場を必要とするほどだったと再認識する。ゲレンデ入口に雨降宮峰方諏訪神社の鳥居が立っている。社殿は右手奥にあるのだが、神社と共存している雰囲気はいにもローカルゲレンデにふさわしい。リフトはチェアをはずしたままだし、ゲレンデ下のさまざまな施設もそのままの状態。リフトの横に置かれた圧雪車は、雪を待ってスタンバイしているように見える。周辺の何軒かのプチホテル風の建物はなんとなく寂しげに見える。
ゲレンデ左につけられた林道を登っていくと、最近は営業していなかったイタリアンレストランやロッジの建物が、バブル期の遺構であるかのように徐々に廃墟化している。「イタリア料理カーサビアンコ 閉店致します。ありがとうございました」の貼り紙が悲しい。その先、しょうぶ平ゲレンデ脇にケーキハウス「ルフレ」の白い建物。こんなゲレンデ脇でどのくらいの来客があるのかと思っていた店だ。さらに行くと、第2リフトの終点。最近は稼働していなかった第3リフトの乗場もある。背の高いススキに視界は閉ざされがちだが、パノラマゲレンデから山頂部を見渡すことができる。歩くコースは北アルプス展望台だったが、メインゲレンデからは頸城山地方面の展望しか得られない。小雨の中、それも霞んで見えるだけだった。(現地訪問:2014年10月)
(左)最後の頃は休止していた第3リフト乗場から、ゲレンデトップを見上げる。(右)第2リフト終点から見下ろす。
こちらもご覧ください→「白馬みねかたスキー場(その2)(2015年2月14日)」